冷凍された肉は「氷水解凍」がおすすめ！その理由を詳しく解説

皆さんは冷凍された肉ってどうやって解凍してますか？

最近の電子レンジは「解凍」機能がほぼ標準で搭載されているので、それを使う人が多いかもしれません。

でも、電子レンジの解凍は肉を不味くするって知ってました？あれはあくまでも「すぐに解凍したい」時などの緊急事に使う解凍方法なんです。

じゃあどうするのが最適なんでしょう？

冷凍された肉をおいしく解凍したいときは「氷水解凍」が最も有効とされています。その理由を詳しく見てみましょう。

電子レンジで解凍すると肉汁がほとんど流れ出てしまう

まずは、「電子レンジで解凍をするとなぜ肉が不味くなるのか」を紹介。

大前提として、一度冷凍された肉は解凍されることで損傷します。これは肉の旨みが外に流れやすい状態です。

冷凍された食材が新鮮な生ものと比べ、旨みが落ちることを経験したことありませんか？これは肉に限ったことではありません。

スーパーで売られている魚なんかも、解凍品と生ものでは値段が違いますよね。2匹入りよりなぜか３匹入りのパックの方が安い…。よくよく見ると、3匹入りには「解凍品」というシールが貼られていました。

急速な解凍は食材を傷つけてしまう

解凍するときは「いかに食材の損傷を抑えつつ解凍するかが大切」になります。

電子レンジで急速に解凍すると、この食材の損傷がより激しくなります。あんなに急速に温めて無理やり溶かしてるんですから当たり前です。

冷凍された食材は慎重に扱う必要があるということをまず頭に入れておきましょう。

解凍の際に出てくる水分は肉の旨みそのもの

ちなみに、あるポイントを見れば、解凍した時どれだけ食材が損傷したかが分かります。それは解凍したときに出てくる水分の量。

冷凍された肉を電子レンジで解凍すると水が大量に出てきますよね。実はこの水分は単なる水ではなく、”肉の旨みが冷凍されたときに結晶化されたもの”なんです。つまり「解凍で流れ出た水分＝肉の旨み（肉汁）」ということ。（ちなみにこの流れ出た肉汁を「ドリップ」と呼んだりします）

電子レンジで急速に解凍すると、実はこんなにも肉の旨みを逃がしてしまっていたんです。

肉のドリップを最も抑えられるのは「氷水解凍」

電子レンジの解凍がいかに食材に悪いかを紹介したところで、次は肉のドリップを抑えて解凍する方法を見ていきましょう。

ズバリ「氷水解凍」ですね。

手っ取り早く、よくある4つの解凍方法を表で比較してまとめてみました。

解凍時間に関しては肉の量や環境によっても大きく変わってくるので、大体の目安程度に思っておいてください。

それよりも、冷凍肉を美味しく解凍する上で注目すべきポイントはドリップ量です。温度が高い環境で解凍するほど、ドリップ量が多くなることが分かってもらえたらOK。

温度を急激に変えることなく、そのまま低温で解凍することで肉の旨みを閉じ込めることが出来ます。実際に氷水で解凍をしてみてください。水分の出方が違うことをはっきりと体感できるはずです。

意外にも氷水解凍は短時間で解凍できる

氷水解凍をおすすめする一番の理由は上記で紹介した通りです。ですが、おすすめされる理由はもう一つあります。

実は氷水解凍って想像以上に短時間で解凍できるんです。

スーパーでよく見る肉1パックのサイズなら、完全に解凍するまで2時間もかかりません。これには驚く人も多いですが、意外にも自然解凍よりも早いんですよ。

これは空気と水の熱伝導の違いによるものです。

空気と水の熱伝導率が解凍速度に影響

ちょっと科学的な話になりますが、この解凍スピードは「空気と水の熱伝導率の違い」が影響しています。それぞれの熱伝導率の数値を調べてみました。

• 空気・・・0.0241W/mK
• 水・・・0.561W/mK

簡単に言うと、空気の方が分子同士が離れているため、分子間での熱の受け渡しに時間がかかるようです。

素人には正直パッと来ない数値ですが、単純に計算しただけでも水は空気の20倍熱を伝えやすいということになります。意外ですね。

【まとめ】肉は氷水で解凍しましょう

以上が氷水解凍が肉の解凍に最適な理由です。

冷蔵庫での解凍もほぼ同じ位ドリップ量が少なくて済むんですが、あれは時間がかかりすぎます。夜食べるなら、朝のうちから解凍を始めないと間に合いません。

緊急時や面倒な時は電子レンジでの解凍もやむを得ませんが、ちょっと特別な肉は大切に氷水で解凍して美味しく食べましょう。ネットでお取り寄せした肉なんかは、真空のビニールで冷凍されていることが多いのですぐに氷水解凍できますしね。

「美味しく・素早く」を兼ね備えた氷水解凍をぜひ一度試してみてください。