刺身用の鶏肉をお取り寄せしました。火を通さずにそのまま生で食べられる新鮮な鶏肉です。
部位は「鶏もも」「鶏むね」「鶏ささみ」の3種類。しゃぶしゃぶとユッケでいただきました。
まさか家庭でこんなものが食べられるなんてね。もう最高でした。
鶏肉を生で食べることに抵抗がある人も多いと思うので、食べる前に鶏肉の食中毒について学んでおきましょう。
鶏肉って生で食べて大丈夫なの?
鶏肉のレアって正直不安…。”鶏と豚はよく焼け”って言いますからね。
食べる前にちょっと鶏肉による食中毒の勉強をしておきましょう。
鶏肉の食中毒起因菌「カンピロバクター」
鶏肉には「カンピロバクター」と呼ばれる菌があります。これは2~5日間の下痢・発熱などの腸炎症状を引き起こす食中毒起因菌です。
ちなみに5歳未満の子供、高齢者が発症する頻度が高いというデータが出ています。最近では10代~20代の男性に多いとも言われているようです。
実際にこれが重大病気になる可能性はかなり低いそうですが、”合併症として”神経麻痺や呼吸困難を起こす例も実際にあります。生食用の鶏肉を扱っているお店でも、メニューに「体調不良・高齢者の方はお控えください」とよく注意書きしてますが、それはこの合併症が怖いからなんですね。
ですから、生食用の鶏肉を食べる時は自分の体調と相談して食べることが最も大切。健康な人なら食べる量さえ気を付けておけば、過度に心配する必要もないかもしれません。もちろんこれは新鮮な生食用の鶏肉に限ってですよ。スーパーの鶏肉は完全にアウトです。
ちなみにカンピロバクターは熱で死滅します。今回のしゃぶしゃぶのように加熱処理すればより安全です。
【鶏肉の食中毒を回避するためには】
- 生の鶏を食べる時は体調管理が大切
- 子供・高齢者は控えた方が良いかも
刺身用の新鮮な鶏肉をお取り寄せ出来る「尾張のとりや」
そして、今回生食用の鶏肉をお取り寄せしたのは、サンシン百貨店の鶏肉専門店「尾張のとりや」。
我々一般の人も楽天ショップで購入できるんですが、実はここの鶏肉は飲食店でも使われているそうです。サイトにはお客様の声と一緒に、店主さんの声も掲載されてます。
高級料理店に卸す鶏肉をそのまま家庭で楽しめるのが売りです。
新鮮な状態を保つのが難しい鶏肉…。飲食店からも信頼されている理由が2つあります。
臓器保存にも使われる急速冷凍技術を使用
鮮度を保つ上で重要なのが冷凍技術です。よく急速冷凍という言葉を聞きますが、このサンシン百貨店は「臓器保存にも使われる急速冷凍技術」を使っています。
-40℃の特別な急速冷凍システムは、医療の現場に導入されているだけあって、解凍後も細胞を壊すことなくそのままの状態(鮮度)を保つことが出来るそうです。
さらに、特殊な真空加工を施すことで酸化を防ぎ長期間保存が効きます。確かに裏面に表記された賞味期限は驚くほど長かったです。確か6ヶ月くらい。(なるべく早く食べるに越したことはないでしょうが)
あわせて読みたい
鶏は絞めてから3時間以内に急速冷凍
鶏は牛・豚と比べ熟成が早いのが特徴。食べごろは絞めてから12時間以内と言われています。
それもありサンシン百貨店は、一番美味いとされる朝絞めの鶏を加工後3時間以内に急速冷凍しているそうです。
つまり先ほど紹介した冷凍技術を使って、「3時間以内の鮮度」をお届けするというこになります。これはスーパーの鶏肉とは比べ物にならない破格の鮮度。スーパーの冷蔵便ではどうしても2日はかかってしまうそうです。ついでに言っておくと、さらにここから買って食べるまでの時間が加算されますからね。
最先端の冷凍技術ってここまで凄いものなんですよ。
ちなみに、鮮度を大切にするため一日に捌ける鶏の量が決められているそうで、お届けまでにちょっと時間がかかります。
刺身用の鶏肉で「しゃぶしゃぶ」。マジ美味すぎ。
食べる前の注意点を勉強したところで、いよいよ鶏肉のお刺身をいただきましょう。
鶏肉の中にもしゃぶしゃぶに適した部位というのがあります。今回の3つの中でいうと「鶏むね」と「鶏ささみ」ですね。
そんなわけでこの2つの部位は、薄切りにしてしゃぶしゃぶにしていただきました。(しゃぶしゃぶは火を通しているのでカンピロバクターの心配も減ります)
鶏肉をしゃぶしゃぶ用に薄く切るするコツ
ここで鶏肉の上手な切り方を紹介。
生食用の鶏肉は鮮度を保つため真空パックで冷凍されて届きます。
これを付属された解凍方法に従って「氷水解凍」するんですが…。しゃぶしゃぶにする場合は完全に解凍してはいけません。
柔らかい鶏肉は薄くスライスしようとすると身が崩れてしまうんですよね。特に鶏ささみはヤバイ。ぐちゃぐちゃになります。
これは鶏むね肉ですが、表面が溶けている割に冷凍時の形が崩れていないのが分かるでしょうか?これがベストな状態。今が一番簡単に切れます。包丁を斜めに入れてスライスするイメージで切りましょう。
スライスしたらまだ中央がシャーベットのように凍っているので、これを皿に盛り付けて冷凍庫で完全に解凍してやりましょう。
余裕があれば盛り付けも工夫してみるとより面白いですね。「ふぐのテッサ」をイメージするとオシャレな感じになります。
【鶏肉を上手にカットする手順】
- 鶏肉を氷水解凍で半解凍
- スライス後に冷蔵庫解凍
あわせて読みたい
せっかくの刺身用鶏肉。加熱しすぎには要注意
せっかくの生食用鶏肉なので、湯に通すのはほんの一瞬にしましょう。加熱しすぎると身が縮み、旨みも消えてしまいます。
ほんとに「しゃぶ、しゃぶ」とするだけでOKです。
表面がうっすらと白くなったら食べごろ。中はレアで、むね肉とは思えない柔らかさが楽しめます。もうプリップリです。
個人的には「もみじおろしポン酢」と一緒に食べるのがおすすめ。
僕はどちらかというと、こちらの”鶏ささみ”の方が好みでした。なんというかギャップがすごい。淡白なつもりで食べたささみも、レアなだけでジューシーに感じます。肉の旨みもすごいです。
このしゃぶしゃぶは、レアで食べられる鶏肉ならではの食べ方。鶏肉のしゃぶしゃぶという新鮮さを加味すれば、あのブリしゃぶをも超える料理だと思います。ぜひ一度食べてもらいたいですね。
刺身用鶏もも肉は「鶏トロ風ユッケ」に
スーパーで売ってる鶏ももと比べると色ずいぶん綺麗に見えます。
本来生食用の鶏もも肉は「ステーキ」や「たたき」にして食べるのが無難。表面はカリッとしていて中はレアな鶏ステーキは、店でもそう簡単に食べられるものではありません。
ですが、以前に鶏肉のたたきはお取り寄せで食べているので、今回はちょっと変わった「鶏トロ風ユッケ」にアレンジしてみました。
(※これは完全に生なので自分の体調を把握して食べるようにしましょう。食べすぎも注意です。)
鶏トロってなに?
鶏トロは簡単に言うと、ネギトロの鶏バージョンです。
実はネギトロって「野菜のネギ」と「マグロのトロ」という意味じゃないんですよね。マグロの骨の周り(中落ち)を削りとったものを”ネギトロ”と呼ぶのです。
ですから鶏トロは「鶏ガラの周りの肉(骨ぎしの身)を削り取ったもの」ということになります。店によっては「骨ぎしの身」と「内臓の脂」をたたき合わせたものを”とりとろ”として提供しているところもあるんですよ。
そんなわけで、フードプロセッサーで鶏もも肉を鶏トロ風に挽いてみました。ちょっと粗めが良いでしょう。皮も一緒に入れたのでトロトロしてます。
これをユッケ風のタレと和えて食べます。
ユッケのタレは「すりおろしニンニク:小さじ1」「すりおろし生姜:小さじ1」「醤油:小さじ2」「ゴマ油:小さじ2」「コチュジャン:小さじ1」の割合で作れます。
これはマグロとの相性も抜群です。たぶんこの味好きな人は多いと思いますよ。
そして最後に黄身を乗せたら完成。今ここに新しい料理が誕生してしまいました。
黄身をよく混ぜてからいただきます。
レアな肉好きにはもうたまらない逸品。最高に幸せな気分…。口いっぱいに鶏の甘みが広がります。
これはネギトロ丼ならぬ「鶏トロ丼」ですね。ご飯も最高に進む…。
なぜかこうしてご飯と一緒に食べると、鶏を生で食べる罪悪感が和らぎます。
いくら刺身で食べられる新鮮な鶏肉と言われても、最初は多少の怖さを感じでしまうのものですからね。
どうしても怖くなったらバーナーで炙ってしまえOK。これはこれで美味しく食べられます。炭火の香ばしい香りがして、これもまた焼き鳥から派生した新しい食べ物のような感じがします。
生食用の鶏は、自分の体調と相談して食べるようにしましょう。美味しく食べるための基本ですね。
そこさえ気を付ければ、値段も比較的安いので家庭で気軽に鶏しゃぶが楽しめますよ。